ばんばあ石
どんな伝承か
相模原・田名の田名八幡宮の境内には、ばんばあ石・めかけ石・じんじい石と呼ばれる三つの石がまつられている。昔、信心深い村人の夢に神が立ち、夫の石を慕って上流から流されてきたが、相模川の一の釜で流れが弱まり先へ進めないので八幡宮へ連れていってほしいと告げた。淵に潜ると老婆の姿に似た石があり、これを拾い上げたのがばんばあ石である。ある年の日照りに再びお告げがあり、石を一の釜に沈めると雷雨が降り注いだ。以後、干ばつのたびに村人は礼装して石を川底に沈め、雨が降ると引き上げたという。河原で拾った細長い石を井戸端に敷いた家が病に倒れ、八幡宮に納めて治ったという話も伝わる。
原典より
塚についての伝説水につながる伝説 四七—— 神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。