小野小町と小町神社
どんな伝承か
厚木の小野は小野小町の生まれた地と古くからいわれ、小町山の頂に小町神社がある。縁起によれば、鎌倉時代、頼朝の寵愛を受けた丹後の局が身ごもると、嫉妬した政子は畠山重忠に局の首をはねるよう命じた。重忠は局を由比ヶ浜へ連れ出したものの、結局は小野村の川上酒勾の屋敷にかくまった。これを知った政子が日夜呪ったため、局の髪はたちまち白くなった。嘆いた局が古歌を短冊にしたため、十七日のあいだ小町を念じると、満願の日に美しい黒髪がよみがえり、その礼に建てたのが小町神社だという。以後、若白髪に悩む男女が黒髪を願って参り、かなうと五色の糸を奉納した。
原典より
浦島寺の狸と夜泣き石(横浜市神奈川区) 一六五無量寺の不動明王(横浜市南区蒔田町) 一六九東樹院の文福茶釜(横浜市南区笹下町) 一七三源範頼と大寧寺(横浜市金沢区片吹町) 一七七—— 神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。