芋洗いを断られて涸れた源氏川原
どんな伝承か
厚木市内を流れる荻野川の中ほど、源氏川原のあたりには、葉山の石芋の話と秦野の水無川の話を合わせたような伝えがある。昔、この川原で農婦が里芋を洗っていると、例の乞食坊主が通りかかって同じように施しを求めた。農婦がそれを断って家に帰ってしまうと、その夜から源氏川原付近の流れが消え、翌日から芋を洗えなくなった。困ったのは農婦のほうで、それ以来、里芋のとれる秋から春先にかけては、この川の水が涸れてしまうと言い伝えられている。
原典より
同じようなヤリトリがあって、農婦が家に帰ってしまうと、その夜から源氏川原付近の流れが消えてしまった。—— 神奈川の史実と伝説(小森良章・1975年(昭和50年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の史実と伝説(小森良章・1975年(昭和50年))
『神奈川の史実と伝説』は、新聞記者から県政の仕事に転じた小森良章が昭和五十年に著した郷土史の読み物である。倭建命の東征から鎌倉幕府の滅亡までを範囲に、神奈川県内に残る伝説を十一の篇にまとめ、走水の弟橘姫や足柄山の金太郎などを取り上げる。各篇は伝承地を副題に掲げ、伝説とその背景にある史実を結びつけて語り、古事記や吾妻鏡などの記録を引きながら著者の推測も交えている。