蛇苦止堂の霊験井戸水
どんな伝承か
鎌倉の妙本寺の境内、参道から石段を登った先に蛇苦止堂があり、そばには讃岐の局が身を投げたという池がある。堂のかたわらの井戸の水は病に効くと信じられてきた。二階堂から来るという老夫婦は、この井戸水を汲んで一升瓶に詰め、堂に上がって経を読むのを、三十年以上毎月欠かさず続けている。息子が重い病にかかり医者にも見放されたとき、この水を飲ませるとけろりと治ったのだという。蛇苦止明神は蛇神なので金運のご利益もあるとされ、蛇の好物の生卵を池へ投げ入れて商売繁盛を願う商人も多いという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。