神犬が引き返した秩父神社の犬戻り橋
どんな伝承か
秩父市番場町の秩父神社から北東へ二町ほど行ったところに犬戻り橋があり、現在は犬橋と呼ばれている。昔、神犬が秩父神社の神域を守って、決してそこから外へ出ることがなかったため、「犬戻り」の名がついたという。婚礼のときには「戻る」という言葉を縁起が悪いとして嫌い、この橋を渡ることを避ける習わしがある(『秩父志』『秩父の伝説と方言』)。
原典より
秩父市番場町の秩父神社から艮(東北)の方角に二町(二二〇メートル)ばかり行った所に、犬戻り橋があって、今では犬橋と呼ばれている。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年))
『武蔵の伝説』は、大島建彦と渡辺千佳子が昭和五十一年に著した伝説集である。埼玉県・東京都と神奈川県の一部にあたる旧武蔵国の伝説を、地誌・紀行・社寺縁起・区市史や『埼玉県伝説集成』などの文献と土地の口碑から集め、項目ごとに出典を添える。『日本伝説名彙』の六部門に家・村と祭礼・行事を加えた八部に分け、巻頭の「はじめに」で伝説の分類の方法を論じている。