大裏様が食事をした窪地
どんな伝承か
東松山市高坂で、大黒部の坂下から宮鼻へ通じる道沿いの台地の裾に、畳十二畳ほどの窪地があった。昔、大裏様がここで食事をした跡だと伝えられる。食後に前を流れる九十九川の水で口をすすぎ、さいかちの生木の箸を挿すと、それが育って百五十メートルほど離れた大裏橋の下手に高く茂っていたという。大裏橋は改良工事で取り壊されたが、大裏の名は小字として残っている。
原典より
大黒部の坂下から宮鼻に通ずる道路ぞいの台地の裾に、畳十二帖ほどの広さの窪地があった。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。