日照りに登って雨を祈る雨乞山
どんな伝承か
長瀞町の中野上と野上下郷にまたがる雨乞山は、日照りのときにこの山へ登って雨を祈れば必ず験があるといわれてきた。『新記』巻二五一に見える。同書は県内の雨乞山を並べて載せており、児玉町飯倉では旱魃のとき村人が山にのぼって火を焚き、寄居町西ノ入では波羅比門神社の氏子が絶頂で太鼓と笛を鳴らし、大麻を振って雨を呼んだと記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。