碁に夢中で寺領を逃した雲上寺の住職
どんな伝承か
雲上寺の住職が碁好きだったために寺領をもらい損ねたという話。慶長八年、松平忠輝が松代城主となると、補佐役の大久保長安も松代に赴いた。長安はこの地方の寺社に領地を寄進しようと、中条村の大安寺から雲上寺へ回った。ところが住職は門前の世話人と碁の最中で、取り次ぎの小僧の声も耳に入らず、大事な一局だから終わるまで待たせておけと一喝した。長く待たされた長安は怒って立ち去り、次の柵村の大昌寺に、雲上寺へ与えるつもりの分まで寄進したので、大昌寺は普通の寺の倍の石高を得たという。
原典より
この寺の住職が碁好きだったことから、寺領を貰いそこなったという話がある。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。