三十日で実る藤島の社の早苗
どんな伝承か
諏訪大社上社の七不思議の五つ目。六月の晦日に藤島の社で行われる神事で、当日は舞楽を奏でながら早苗を神田に植える。この苗は植え付けてからわずか三十日でよく実り、八月一日にはその米で飯を炊いて神前に供えることになっている。植えてひと月で稲が実るというのは不思議な話だと語られている。
原典より
この苗は植付けてから三十日でよくみのり、八月朔日に飯焚きして神前に供えることになっている。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。