風がなくても鳴っていた神座遠の松
どんな伝承か
松原神社から北西へ約一キロ、御射山の原へ向かう途中の坂の上に、五抱えもある赤松の大木があった。幹は八本に分かれ、鳳凰が翼を広げたように枝を伸ばしていたので、ほうおう松とも呼ばれた。御射山の神事のときには神の休み所となって祭りが行われ、根元には山の神を祀る石の祠がある。この松は風のないときでもいつも鳴っていたという。いまは枯れてしまったが、根元の幹がその名残をとどめている。
原典より
この松は風のない時でもいつも鳴っていたという。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。