江戸から続く天籟寺の屋敷神と神棚
どんな伝承か
北九州市戸畑区の天籟寺で屋敷神を祀るのは、おおむね江戸時代から続く家で、その数はいま一〇戸に満たない。地主様や屋敷神と呼ぶ家が多いが、林清宅では文殊菩薩、安田フルノ宅では虚空蔵菩薩と伝えている。奉仕の形は林勇之助宅の地主様が典型で、正月に輪飾りと雑煮を上げ、荒神様の折には祓いを受ける。かつては毎月一日と十五日に供物を上げる家もあった。神棚は入口右手奥の鴨居に、棚の左が子になるよう十二支に合わせて設ける。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。