小倉船場町のゑびす市と投げ品
どんな伝承か
小倉北区の市街地では、船場町にあった恵比須社(今の瑜伽神社)で四月と十二月に町内の人々が集まって恵比須の祭礼を行った。明治に入ると「ゑびす市」が立つようになり、今も続いている。市の呼び物はくじ引きで、商店は安売りをし、くじ引き場には米俵が数十俵も積み上げられた。俵を当てた人は車力に載せて持ち帰り、周囲は「まん(運)がええのう」と羨んだという。最終日の夕方には「投げ品」といって、衣料品などを無料で客に向けてまき散らした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。