次官田の一夜酒を供える貫の春祭り
どんな伝承か
北九州市小倉南区の貫にある荘八幡神社の春祭りは三月三十一日で、宇佐八幡の放生会にならって始まり、三六〇年あまりの歴史をもつという。青年団が幟と注連を作り、竜の形の注連を各集落の入口に立てる。足利尊氏の寄進と伝える祭田は次官田と呼ばれ、そこで採れた米で一夜酒や甘酒を造って神前に供える。当日は神輿が渡り、下貫の一の殿、上貫の二の殿、中貫の三の殿の順に進み、帰りは逆にたどる。御手洗川の川汐で清めたのち、お旅所でそれぞれの供えの儀が行われた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。