黒崎祇園の飾り山笠と疫神のお籠り
どんな伝承か
黒崎の祇園祭では御神幸のほかに、区内で人形を飾った山笠が三基つくられて大いににぎわった。放生会には神楽や奉納相撲、うそ替えなどもあったが、太平洋戦争のあとは絶えている。費用は年ごとの計画で各町会に割り振られ、氏子総代が年末に伊勢神宮や岡田神社の大麻を配って集めて回る。供え物は酒、餅、米、塩に農産物と海産物で、岡田神社の秋の大祭には農家に頼んで作らせた新米を供える。新米だけは総代に少しずつ分けられ、残りは宮司が納める。お籠りは、苗代籠りと田植え籠りが農家の減少で昭和の初めに絶え、疫神様のお籠りだけがいまも続いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。