永源寺の地蔵盆と千燈明
どんな伝承か
八幡西区木屋瀬三丁目の永源寺は、山門の外に大きな石の地蔵を、内側に六地蔵を祀っている。八月二十四日の地蔵盆が近づくと、子供たちは燈明代という名目で祭りの費用を集めて回り、地蔵堂の前の寺道に並ぶ家々は、子供が自分で絵を描いた掛け行燈を軒先に灯す。各家は団子などを作って参拝者を呼び止め茶をふるまい、境内には茶小屋が建って餅をつく。世話をする人たちは思い思いに変装し、おどけた所作で笑いを誘う。子供たちは地蔵堂を囲んで千燈明と呼ぶ無数の灯をともし、その番をする。かつての燈明は、太い竹を半分に割って節ごとに油を注ぎ、芯を立てたものだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。