合馬の丑の刻参りと共同祈願
どんな伝承か
合馬では、願をかけるときは社寺へ足を運ぶのが本来だとされ、遠方であったり病で出向けないときだけ自宅から祈り、後日あらためて礼参りをした。近ごろは願をかける人自体が減り、お百度踏みや千度参りの話も耳にしなくなった。人形に五寸釘を打つ丑の刻参りがあったらしいと古老は語るが、実際に目にしたという者はいない。祈願はふつう一人ひとりで行うものの、天災や流行り病のときには地区そろって願をかけた。この土地の神社の多くは、そうした共同の祈願のために分霊を勧請して建てられたのだともいわれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。