合馬のお札配りと歳徳神
どんな伝承か
小倉南区合馬には、神職が直接配って回る出雲大社や日御碕神社の神札と、西大野八幡神社を通じて氏子総代が配る伊勢神宮の大麻が今も届き、神棚や神祠に納めて拝む。昭和十年ごろまでは西大野八幡神社から害虫除けの札も配られ、農家はこれを割り竹に挟んで水田の水口に立て、豊作を祈った。昭和四十年ごろまでは道原の菅王寺が回檀の折に、西洋紙二枚に石刷りした歳徳神の絵姿を歳の神として配り、明治の末までは寺の法印が法螺貝を吹きながら配って歩いたという。井手浦でも伊勢の大麻と東大野八幡神社の神札が四十五戸に、夏越し祭りの守護符が四十四戸に配られ、天台宗玄清派の荒神符や金竜院の歳の神の札も届く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。