大里本町の庚申講
どんな伝承か
「講」はもとは仏教の組織だが、今では同じ内容でも土地により「講」とも「座」とも呼ぶ。門司区大里本町の南区では十数戸で庚申講を組んでいる。庚申の夜は床の間に猿田彦大神の掛け軸を掛けて五品の供物を供え、戸上神社の宮司を招いて修祓と祝詞奏上の簡単な儀式をしたのち、ささやかな酒肴で直会を開いて夜通し語り合う。座はくじ引きで決めるので務める家はその都度代わり、費用は会費制で、積立金で数年ごとに親睦旅行にも出かける。今も続くが、仕事の都合で夜九時過ぎには散会する。同区太刀浦には以前、毎年二人が抽選で金刀比羅宮へ参る金比羅講があったが、大正十二、三年ごろに途絶えた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。