行き倒れの旅人が授けた高瀬屋の櫂
どんな伝承か
馬場の高瀬屋の主人は、吹雪の中で行き倒れていた旅人を救い、家に泊めてやった。翌朝早く発つ旅人は、信濃川に小舟があるはずだから使ってほしいと言い残した。主人が川岸へ行ってみると、言われたとおり大きな舟と櫂が置かれていた。これは神様からの授かり物に違いないと喜んだ主人がその舟で商いを始めると、店は大いに繁盛し、回船問屋として栄えたという。二百年ほど前の出来事と伝わり、そのときの櫂はいまも高瀬屋の家宝として残っている。
原典より
主人が川岸にいってみると、話のとおり大きな舟と櫂があった。—— 十日町市史 資料編8 民俗(十日町市・十日町市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
十日町市史 資料編8 民俗(十日町市・十日町市史)
『十日町市史 資料編8 民俗』は、十日町市の市史資料編の民俗の巻であり、ここにはそのうち第二節「伝説」を収める。市内に伝わる伝説を木、石・岩、水、塚、坂・峠・山、祠堂、家・ムラの七つに分け、遊行上人にお札をもらいに来た木、片目の魚がすむ七ツ釜、新田義貞の挙兵にちなむ観音塚や竜王様、弘法清水などの梗概を記す。冒頭に伝説と昔話の違いを説く解説を置き、話を梗概にとどめたことと別冊『十日町の昔ばなし』の参照を断る。