耳の病に効く如海の生入定塚
どんな伝承か
越谷市東小林の根郷地区には、昔、東光院という古い寺があり、その墓地に寛政十一年九月十一日の日付と法印如海の名を刻んだ石塔が立っている。如海は東光院の住職だったが、日ごろ耳が遠いことを気に病んでいた。そこで生きながら入定するにあたり、同じ悩みを持つ人の苦労を思いやって、自分が入定したのちは耳の悪い者や病に苦しむ者は自分のところへ詣でに来るようにと言い残し、五十一歳で永い眠りについたという。それ以来、耳の悪い人がお参りすると効き目があるといわれ、いまも遠方から参詣する人がいる。
原典より
以後耳の悪い人が参詣すると、効験があるといわれ、現在も遠方から詣でるものがある。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。