将門の妃九十九人が自害した大血川の塚
どんな伝承か
秩父の大滝村大血川にある九十九塚について、『新編武蔵風土記稿』は土地の言い伝えを載せている。ここで平将門の妃九十九人が自害し、その古塚がいまも残る。そのとき流れた血は七日七晩も止まらず、それで大血川という地名になったという。別に、畠山重忠がこのあたりで生まれた川筋なので於乳川と書いたとする説もある。また『伝説の秩父』には、塚は将門の家来九十九人のもので、その人々を祀ったのが集落の南にある九十九でんさまだという説も紹介されている。
原典より
九十九塚について『新記』は「土人伝へ云。此所にて将門の妃九十九人自害せしとて、今尚古塚存せり。さてもその時血の流るること、七日七夜に及べりと云ふより、地名(大血川)となるよし、…—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。