送り地蔵(その二)
どんな伝承か
北埼玉郡北川辺町麦倉、いまの加須市麦倉に「送り地蔵」と呼ばれる地蔵がある。この地蔵は夜な夜な人の姿になって現れ、夜道を行く旅人に道を案内したという。また追いはぎが出れば、その身を動けなくして旅人を危難から救ったとも伝えられる。さらに、自分の患う体と同じ場所を撫でると病気が治るという信仰もあり、土地の人々に篤く信じられてきた。県内には与野市小村田にも同じ名で呼ばれる地蔵があり、夜道を急ぐ男の前に提灯を持った老人が現れて案内したと語られている。
原典より
夜道を急ぐ男の前に提灯を持った老人が現れて案内してくれたが、寺の近くで姿を消し、翌朝確認すると地蔵の顔がその老人にそっくりであったという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(中巻・歴史伝説)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(中巻・歴史伝説))
韮塚一三郎『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』(歴史伝説の巻)を全608話・伝説(土地別の異伝)単位で収録(<解説>・[参考]・和歌・注は本文に内包)。埼玉県下の歴史伝説(塚・城址・古戦場・武将〈新田義貞・畠山重忠・太田道灌ら〉・史跡・寺社縁起等)を、所在地(市町村・字・社寺)と出典(新編武蔵風土記稿・各市町村史等)を付して体系的に集成した中巻。