宮古島カムズ祭と風候
どんな伝承か
乗瀬御嶽の祭はカムシュウリと呼ばれ、神主下りの字を当てた文書もあるが、本来はこの季節の名でもあった。カムズとも言い、神魂と書く例もある。この祭のカムズが下りると雨が降り、カムズが上がると西風が吹き始めて晴天が続き、支那へ渡っていた船が戻ってくるとされた。難船した者がはるかにこの御嶽へ祈って無事に島へ帰れた話もある。祭に仕えるのはすべて関係する家の女性で、カムシュバギという蔓草を頭に巻き、御嶽の中のカムシュ屋に入って、祝女のつかさが神と語る。その四日間、男は見てはならないとされていた。柳田は、年に一度の祭を境に決まった方角の風が吹き出すという、この島だけの経験だと述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。