久高島の浜で網に得た黄金の簪
どんな伝承か
今に至るまで久高の島人が前朝を慕う情は、まさしく一篇の詩であった。八十年ほど前には、この島の浜で網を引いて黄金の菊の花の簪を得たことがある。それを尚徳王の遺物とすることに、一人も反対する者が無かったという。しかし実は簪の制度には変遷があったので、これは実際にはこの王より後のものであった、と後に判じられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。