久高島のイザイ法と神人(カミンチュ)
どんな伝承か
久高の島では、祝女でないただの女も含め、成長した婦人はすべてカミンチュ(神人)である。十二年に一度、午の年をもって行われるイザイ法という式の日に、七つの木の橋を滞りなく渡り、一人より他の男は設けなかったことを神と村人との前に証明しえた刀自たちは、ことごとくその日から神に仕える女となる。以後は祭のたびごとに二日前から小屋に籠って、至って重い物忌をする。男に逢わぬのはもちろん、乳呑児までも引き離し、時々小屋の外へ呼んで来ては乳を与えるばかりであった。久高の男は年中海に出て働き、農作は全部が女の手業であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。