元文二年の佐野新蔵事件
どんな伝承か
万延元年の名主殺しを別にすれば、八丈島で起きた大騒動は元文二年の佐野新蔵事件だけであった。ただの島抜けとは目的が違い、保元物語の八郎為朝のような働きを夢みていたのではないかと柳田は見る。小普請組にいた幕府の士四人に、医者と坊主、それに厚髪の弥兵衛という町奴らしい男までが加わって、役人の宅に火を放って討ち入ろうとした。企ては事前に露顕して全員が召し捕られ、死罪になったのは四人だけで、残りは青ヶ島と小島へ島替えとなり、一人を除いて相応に長生きして死んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。