流人たちの磯での変死
どんな伝承か
八丈島の流人には自殺こそ少なかったが、変死はそれなりにあった。帳面には、延享元年二月六日に磯で果てた無宿の盗人四郎兵衛、元文元年の大晦日に磯で死んだ無宿乙三郎、同三年十二月に波にさらわれた神田無宿の金蔵、寛保三年に磯へ落ちて死んだ甲州小沢村の山伏覚法院などが並ぶ。働き口のない流人は海辺へ出て流れ寄る物を拾って食っていたから、こうした最期は冬に多い。島の農家の蓄えも薄くなる季節で、はじめから生きる力の乏しい者から倒れたのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。