久那右衛門の帰宅と自害
どんな伝承か
万延元年の島抜け暴動でさえ、流人たちは水汲みと呼ばれた妻に助けられて陰謀を進めていた。秘密はついに女房たちの口からは漏れなかったという。首謀者の一人久那右衛門は、もう一度子どもの顔が見たさに、そっと自分の家へ戻って来た。だが家の内へは入れてもらえず、その場で咽を突いて死んだ。島に仇をなす者すら最後まで島の家を愛していたので、多くの流人を穏やかな永住者に変えたものは、必ずしも制度の力ではなかったと柳田は書く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。