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よそ者を親身に迎える熊村の御恩

所在地静岡県浜松市天竜区熊
年代大正期
登場村人、移住者
出典定本柳田国男集 第2巻

どんな伝承か

著者が知るかぎり、遠州の熊村はまず第一級の平和な土地だった。百五十戸ほどが中央の平らな地に住んでいるが、そのうち百二十戸あまりはもとからの村人ではない。近年の景気に引き寄せられたのではない証拠に、移り住んだ家には二代目も三代目もいる。村はいつの時代にも、逃げてきたり行き場を失ったりした人を親切に世話してきた。正直者と分かれば縁組みも取り持ち、子ができれば畑の半分を屋敷にさせたり山に杉を植えさせたりし、その金は十年間一割の利子を払えば済んだことにしてくれるという。

原典より

自分の知る限りでは、今朝出て來た遠州の熊村の如きは、先づ一流の平和地である。—— 定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第2巻』は、柳田国男の紀行と旅の随筆を収めた著作集の一巻である。昭和三年一月の自序に続く「雪国の春」や菅江真澄の日記を読み解く文をはじめ、東北の村々の正月、火と炭、浜の暮らしの見聞、「秋風帖」「東国古道記」、昭和十五年十一月の自序を持つ「豆の葉と太陽」などの紀行を並べる。峠や古道、佐渡・五箇山・熊野などの土地を、住む人の暮らしと信仰から見ようとする文が多い。

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