神を背負った担い縄を守る入野の旧家
どんな伝承か
武蔵五日市の近くにある入野の旧家は、村では中くらいより下の百姓家だが、家の右後ろに青木の森のような茂みがあり、その真ん中に木の祠が祀られている。神体は円い石ひとつである。この家には、昔この神を背負って来たときのものだと伝える古い担い縄が残る。取り出してもらうと、細かく編んだ丈夫な麻縄のようなもので、胸の両側に当たる所がやや太く作られていた。家では縄を宝物のように大切にしており、戸主は代々市倉弥五郎を名乗るという。
原典より
此家には、昔此神を負うて来たものだ、と伝へてゐる古い担ひ縄がある。—— 定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。