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十貫文で買った土地が名になった坂

所在地東京都中野区(十貫坂)
年代応永の頃
登場鈴木九郎、中野長者
出典行楽と史蹟の武蔵野

どんな伝承か

中野長者と呼ばれた鈴木九郎は、宋銭の奇瑞をきっかけに一躍富貴の身となり、応永十年には若一王子権現の社殿を改めて熊野十二所権現を勧請した。田畑や宅地を買い集め、広い住宅を建て、倉を並べ馬場を築き、近在の住民には高利で金を貸して、数年で置き場に困るほど財を積んだという。その頃、坂の上から見渡すかぎりの土地を銭十貫文で買い取ったので、後にその坂を十貫坂と呼ぶようになった。長者の名にまつわる遺話として、今も語り継がれている地名の由来である。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・1937年(昭和12年))

『行楽と史蹟の武蔵野』は、寺島裕が昭和十二年に著し、新生堂から発行した武蔵野の史跡探訪記である。狭山丘や山口貯水池の周辺から、行田・粕壁・生田・淀橋・中野・柴又・多摩御陵などの社寺、城址、古戦場、塚を歩いて訪ね、交通の便とともに由緒や伝説を記す。小橋一太と新井堯爾の序文、著者の自序を巻頭に置き、前著「史蹟の武蔵野を探ねて」に続く行楽案内として土地ごとの短い節を連ねる。

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