御霊として祀られた平安京の怨霊たち
どんな伝承か
平安京とその周辺は怨霊が集中して現れた土地であった。光仁天皇を呪ったとして捕らえられ、幽閉先で亡くなった皇后井上内親王とその子の他戸親王、藤原種継の暗殺に関わったとされて自ら命を絶った早良親王、平城天皇のときに謀反を疑われ、母の藤原吉子とともに毒をあおいだ伊予親王らが、怨霊となって天皇や貴族を病にし、京に災いをもたらしていると考えられた。そのためこれらの人びとを神として祀る御霊神社が創られ、今も上御霊神社や下御霊神社、崇道神社などに祀られているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦)
『異界巡礼』は、小松和彦が著した民俗学の論集である。狐が人に化ける方法と如意宝珠、蓮如絵伝の異人、鬼退治譚と怨霊、家の盛衰をめぐる民話、夢信仰、巫女と陰陽道、洞窟や龍宮の他界観、人を神に祀る信仰、神隠しなどを、昔話・説話・絵巻・お伽草子と高知県物部村などでの調査をもとに論じる。論考と随想を部に分けて並べ、「民俗のランドスケープ」の部には妖怪、凧上げ、祓い、霜月祭り、呪い人形をめぐる小文を収める。