千葉常胤が頼朝に茶を点てた泉
どんな伝承か
千葉市の猪鼻山のふもとに今も残る、お茶の水と呼ばれる泉も、真偽はともかく源頼朝にちなんで語られ、人々の心に生き続けてきた伝承地である。都川に面した山の登り口に湧き出すこの泉は、水源に清水不動や道祖神がまつられ、不動の滝とも呼ばれている。治承四年(一一八〇)八月、石橋山の合戦に敗れて房州へ逃れた頼朝は、再起を期して北へ向かう途中、猪鼻城の千葉常胤に迎えられた。その酒宴に招かれた際、常胤がこの湧き水を汲んでお茶を点て、頼朝に勧めたところ、たいそう喜ばれたと伝えている。
原典より
房総における源頼朝の足跡を語る伝承地は多い。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。