ツルが運んできた大粒の米
どんな伝承か
市原市米原にある長梗山大通寺の田に実る稲粒は赤みを帯びて大きく、数百年前には鶏卵ほどの大きさだったという。寺では一粒ずつ炊いて仏前に供えたと伝え、大きさは時代とともに小さくなったが、それでも普通の米の数倍あったという。この不思議な米はツルが外地から運んできたと信じられ、ツルおとしと呼ばれていた。東京大学の大林太良氏は、東亜・東南アジアに広がる稲の起源神話の一つとしてこの伝説を紹介したという。
原典より
市原市米原に長梗山大通寺という寺がある。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。