富山を枕にした大太法師の足跡
どんな伝承か
富山町平久里下に住む若林清氏がまとめた『続・民話百選』に、富山にまつわる大太法師の話がある。富山は『南総里見八犬伝』の舞台になった山だが、この本によると、昔、大太法師がこの地に移り住み、富山を枕にして足を岩井海岸まで投げ出して休んだという。富山のふもとにある大凹畑は大太法師の足跡だと信じられており、枕にされた富山はそのせいでくぼんで、北峰と南峰の二つの峰ができたと伝わる。筆者は、この本には庶民の情感あふれる暮らしの記録や愉快な人情話が数多く収められていると紹介している。
原典より
安房郡の年輪に関心をもつ富山町平久里下の若林清氏が『続・民話百選』を刊行した。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。