深さの変わらぬ佐野の四つ石
どんな伝承か
総野の佐野に、直径一尺ほどの石が四つに割れたような形のものがあり、里では佐野の四つ石と呼んでいる。そこから湧き出る霊水は自然に溢れ出て、常に一尺の深さを保ち、それより深くも浅くもならないといわれ、まことに不思議なことだと「志料続編」に記されている。
原典より
佐野の総野の内に、直径一尺ばかりと等しく、石の四つに割れたやうなものがあるが、里伝に、佐野の四つ石と呼ばれて、湧き出る霊水には、水は自ら溢れ出で、やはり、一尺の霊水を保ち、一切よりは、深くも、浅くもならないこと、まことに…—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))
『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。