ばあがみさまの神名由来と祭礼
どんな伝承か
長生郡一宮町に伝わる神名の由来。ある祭礼の行列が一宮まで来たとき、官からその神名を尋ねられた。ただ『若宮御曹司』とだけ申し上げたところ、それは臣下の身では憚るべきことだと言って『ばあがみさま』と申し上げた。それから名を改めて『ばあがみさま』と称するようになり、今もそう呼ばれているという。祭礼は八月十三日に行われると伝わる。
原典より
或祭禮の行列が一宮迄參り誇つたので訳に及ばれた。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))
『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。