龍堂寺に松を納める歯痛平癒
どんな伝承か
東郷村七渡区には、歯にまつわる俗信がある。便所で唾を吐くと歯が痛くなる、薪をかまうと歯が痛くなる、という。そうでない歯の痛みでも、歯を敲いて十王様に祈るか、または同じ龍堂寺に松を献げて歯を治して下さいと祈れば、絵を剥ぐようにすっきり治るという。治ってからの献げものは、路傍の小松を抜いて寺の階段に植える。龍堂寺には、こうした願によって治った人々が納めた松の木がたくさん植わっている。
原典より
『便所で唾をはくと歯が痛くなる。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))
『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。