ワラビの恩
どんな伝承か
長生郡本納町方面には、むかしの人がマムシに悩まされたことをしのばせる伝承がある。山に入るときは「この山に、もしもマムシがいるならば、ヤマタノオロチに食わせるぞ」と三唱しろといい、マムシに直面して危険なときは「姫マムシ、ワラビの恩を忘れたか」といえば害が防げるという。むかし、マムシが急病でカヤのとがった芽の上に倒れて苦しんでいたところ、地中のワラビがあわれみ、やわらかなからだでそっとマムシを押しあげ、カヤの芽の苦痛から救った。だからマムシにワラビのことをいえば効果があるのだと伝えている。
原典より
長生郡本納町方面での伝承だが、むかしの人たちは毒へびのマムシに悩まされた、と思わせるなごりの物語がある。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
編『房総の年輪』を全93話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。