屁が鳴って殿様に褒められた翁
どんな伝承か
印旛郡宗像村に、ろんつくらいの翁というおどけ者の爺がいた。あるとき翁が野の切り株に腰かけて一休みしていたところ、不思議なことに、屁をひると、それが「ろんつくらい、ろんつくらい」と鳴った。おもしろがって幾度ひいても、その都度同じように鳴る。噂が殿様の耳に達し、翁は城に召し出された。殿様の前で見事に「ろんつくらい」と鳴らしてみせたので、殿様は大層喜ばれ、多くの褒美を与えられた。隣の爺がこれを聞き、自分も褒美をもらおうと無理に屁をひったところ、汚いものを殿様に浴びせかけ、散々に叱られたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。