逆柿
どんな伝承か
治承四年九月、源頼朝は三浦・丸らの館を経て安西景連の館へ向かった。九月十一日には丸五郎信俊の館に入り、翌十二日に丸の館を出て安西の館へ帰ったが、その途次、安房郡平群村大字犬掛を通られた。折から手にしていた柿の枝で作った鞭を地に挿し、我が宿志がもし成るならばこの柿よ生えよと念じたところ、不思議にも芽吹いて、枝を逆さにしたまま茂り、逆柿となったという。ただしその柿は実を結ばなかったと「房総志料」は伝える。後にこの柿は枯れ尽き、新しい若木が代わって生え、今では周囲五尺、高さ三丈ほどになっているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・江戸~明治時代)
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 安房の巻』を全186話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。