鋸山
どんな伝承か
保田の東に、鋸山と呼ばれる一山がある。安房と上総との境をなし、山の形が鋸の歯に似ているのでこう名づけられたという。『房総志料』にも、保田の東に鋸山という山があり、その形が鋸に似て奇巌があり、まことにその名の通りだと見えている。山上には名石・奇巌・洞窟・塔堂・五百羅漢・石像大仏・石造地蔵・選磨碑などと題する名所があり、とくに五百羅漢は山の各所に配置され、千二百体の石像を刻むなど極めて多い。大仏は今はこわれた有様で、手より上、首は半分がないという。山頂には十州一覧台があり、安房・上総・下総・常陸・上野・下野・武蔵・相模・伊豆・駿河の十州が一望のうちに集まるので、この名があるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・江戸~明治時代)
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 安房の巻』を全186話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。