田植唄と十七節
どんな伝承か
安房郡鴨川町大字磯の田圃のほとりでは、磯村の心巌寺様は大きなものを貸してくださるそうな、それならわしらも借りよう、という田植唄がおかしげに歌われる。心巌院は鴨川町貝渚にある浄土宗の寺で、法然上人二十五霊場の一つ、安房一の念仏霊場である。安房国一円には、こうした淡島信仰の田植唄が広く歌われ、十七が初の身持ちで淡島さまへ願を掛け、という唄が伝わる。これらは安房に古くから歌われていた十七節の小唄に因んだもので、十七が小桶を手に持ち棚の下にて藍を摘む、という唄が本唄であったらしい。のちには八百屋お七を歌い込んだものも混じり、田植唄から十七節、さらに盆踊唄へと変わっていったものらしい。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・江戸~明治時代)
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 安房の巻』を全186話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。