落城に笑った地蔵と泣いた地蔵
どんな伝承か
長生郡庁南村の坂本には、二体の地蔵が並んで祀られている。天正十八年、庁南城が敵の手に落ちたとき、その一方は笑みを浮かべ、もう一方は涙を流したと語り継がれ、以来それぞれ笑地蔵、泣地蔵の名で呼ばれるようになったという。落城という土地の記憶が、二体の石仏の表情に託されて残されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。