魑魅を鎮めた最澄の経塚
どんな伝承か
甲賀郡大野村の今郷は、昔このあたりが深い林で、魑魅がたびたび現れて人に害を加えたという。延暦二十年の正月十八日、最澄がこの地を訪れて大般若経を読み、その経巻を土の中に納めた。それから怪異はやみ、この場所を経塚と呼び伝えるようになったと甲賀郡志は記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。