見ずの若忍、買わずの存良
どんな伝承か
享保のころ、「本屋泣かせの二人の客は、見ずの若忍と買わずの存良」と俚謡に歌われた記憶自慢の高僧が二人いた。笹川生まれの若忍は銚子で丁稚奉公中、大部の字引を毎晩読んでは覚えた箇所を焼き捨て、ついに全部を暗記して焼き尽くしてしまい、主人に請われるとそれを一枚残らず書き写して返したという。小南生まれの存良は、本屋で本を手に取り立ち読みしただけで全文を記憶し、買わずに立ち去ったため「買わずの存良」と呼ばれた。二人とものちに高僧となり、その驚異の記憶力は語り継がれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東庄町史 下巻(東庄町)
『東庄町史 下巻』は、下総の香取郡東庄にあたる千葉県東庄町の町史下巻のうち、「民話・伝説」の項である。須賀山の地名伝説、高部と羽計の狐の祝言、鉄牛禅師の墓と城山の大蛇、花香稲荷縁起、小南の七不思議、黒部川と児塚の由来、姥捨ての定命窪など、町内の各区に伝わる十五の話を収める。各話に区名を添え、『かぎろひ』記念特集号や『県民の森の歌』、「上代郷明細記」「東荘志」、旧家文書などの出典を記している。