高僧の手のひらで消えたぶどう
どんな伝承か
岐阜県の高校教諭で心霊研究家の山本健造は、昭和四十一年九月七日、ある本山の管長である高僧の弟子たちに迎えられ、下呂の湯之島館で超物理的な実験を見せられた。高僧は山本と三人の弟子に、ぶどうを一粒手のひらに載せて消えるよう念じよと命じたが、誰のぶどうも消えなかった。続いて高僧が山本の枝つきのぶどうを右手に受け、左手で手首を握って数秒念じてから開くと、ぶどうは跡形もなく、わずかな水滴が残るだけだった。四十センチほどの近さから見ていた山本は、ごまかしようがなかったと書いている。弟子の亀田は以前、五円玉が消えて手のひらに模様だけが残るのを見たという。
原典より
すると、ブドウは影も形もなく、ただ水滴が少し残っていました。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。