新しい下駄で消えた小僧と朝六橋
どんな伝承か
高山の川東の商家に小僧が一人使われていた。主人から新しい下駄をもらい、夜になって履こうとすると、夜に新しい下駄を履くと天狗に連れて行かれると叱られた。それでもうれしさのあまり、主人の目を盗んで表通りへ出たきり、小僧は姿を消してしまった。主家は大騒ぎとなり大勢で探したが見つからない。一週間後、小坂まで探しに来た男が、朝六橋の上に気の抜けた顔で立つ小僧を見つけた。小僧は、人通りの絶えた通りを歩いていると背に羽のある鼻の高い大男が来て、背に乗れ、よい所へ連れて行ってやると言うので乗った、その後は覚えておらず、気づくとこの橋の上にいたと語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。