男に化けて橋の下へ誘った猿猴
どんな伝承か
広島県山県郡芸北町の八幡というところに住んでいた女性の話。好きな男に姿を似せた猿猴が夕食どきに現れ、橋の下へ誘われるうち関係を持ってしまい、十月十日ののち猿猴の子を産んだ。生まれた子は頭に皿のような形があり、十二日ほど生きてピューピューと異様な声で泣いたという。話者・栗栖テル氏が祖母から聞いた話として伝えている。八幡は猿猴のいたずらをする土地とされていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。