淵から糸を渡してきた青い蜘蛛
どんな伝承か
明治の中頃の話。釣り好きの爺が落合い淵へ釣りに行き糸を垂れていると、真昼だというのにひどく眠くなった。うとうとしていて竿を引かれ目を覚ますと、足の親指に絹糸のような蜘蛛の糸が幾本も巻きつき、ぴんと張って水中へ続いていた。見ていると小さな青い蜘蛛が糸を渡ってきて足に糸を巻いていく。次に来た時に踏みつぶして捨て、足の糸をそばの草に巻きつけておくと、淵の水が渦巻いて盛り上がり「よいしょ」という掛け声とともに草が根ごと引き込まれた。カワワラスの仕返しだろうと爺はたまげたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。